草津温泉は、2003年度の第17回から10年連続第1位を獲得しています。日本には他に有数の温泉が数多くあるにも関わらず、高い支持を受け続けている理由は何であろう。一つには、湯畑を中心に宿泊施設や店舗、その他の施設が集中的に集まっているから動くのにも都合が良いこと。さらに、温泉湧出量が全国一であること。また、古くから歴史があり、江戸時代の温泉番付で、当時の最高位・東大関に格付けされたことなどが考えられます。草津温泉旅館協同組合事務局長・星野敏雄さんの説によると、「草津というところは、昔から産業は非常に乏しかったんです。農業も林業も商業も工業も育たないこの地で、草津の人々は温泉に生きることの全てをかけ、草津温泉を作り上げてきました。その結果が、今日の草津温泉の実情だと思います。」とのこと。源泉を薄めず、加熱もせずそのままの湯を楽しんでもらうことをモットーに湯もみという温度を下げる独特の方法を編み出しました。地域内には100数カ所の源泉があり、それぞれ泉質は異なりますが、総じて弱酸性で(硫酸塩・塩化物温泉)で、湯内では雑菌や細菌はほとんど繁殖できません。ゆえに、う草津の湯に入ることで傷が癒えたり、身体の疲れが軽減したりといった効能が期待できるのです。足さない、引かない、ただ草津の、こんこんと湧き出る湯をそのまま使うという愚直な方法で、草津温泉は、人々の支持を得、今日の地位を築いたといえるのです。
PR